看護師の皆様へ

                          
 看護師の皆さん、私たちはもっと怒るべきです。
主張しなくてはいけません。
どうしてこんなに給料が低いのか?どうしてこんなに忙しいのか?と。
えっ?結構もらっているって?本当ですか?
看護師の給料は他の職種と比べても決して高い給料ではありません。
そして、休暇をしっかり取って、夜勤の負担を減らして、自分たちのやりたい 看護をやりたいと声を上げなくてはいけないのです。

1 手当などで評価されるべきではない看護業務

 夜勤は重労働ですから夜間看護手当が支給されています。その夜間看護手当自体も安過ぎると思いますが、私たちの仕事は夜勤や超過勤務によって評価されるものではないし、年末年始や休日に出勤するから大変な訳ではありません。日々、患者さんに対する看護の質で評価されるべきです。看護師は専門職です。それだけで十分な報酬を得られなければいけない訳で、それだけの仕事を私たちはやっているのです。

2 採用されてから昇格までに15年も待たされる現状

 初任給だけは他の公的病院と遜色ない額ですが、その後昇給するスピードが遅く、5年から10年の間に他の公的病院や同じ病院に勤務する他職種に抜かれてしまいます。それは採用されてから15年間は昇格がないからです。給料は昇格時に大きく上がる仕組みになっています。他の職種、たとえば医療職(ニ){薬剤師、臨床検査技師、放射視線技師など}は15年で3回昇格します。しかし、医療職(三){看護師}は15年満了しないと昇格がないのです。 もっと早く3級に昇格するべきです。5年で昇格して良いと考えます。私たちは5年目には既にプリセプターやリーダー業務、研修や委員会、看護研究などの業務がどんどん増え、責任と負担が大きくなっていきます。なのに、給料は増えていかない。業務負担と報酬が見合っていないのです。 15年も昇格しないなんて、「さっさと辞めろ」という賃金体系だとしか言いようがありません。
 2016春闘要求にある「医療職(二)なみに昇格させること」という要求なんか控え目な要求です。

3 業務が多忙過ぎて、休暇が取得できない

 患者さんにゆっくり接する時間もない。どうしてこんなに忙しいのか、その改善を訴える必要があります。
 自分たちの健康を守るために年休や特別休暇も堂々と取得していいのです。出産する仲間に心から「おめでとう」と言える職場にしようではありませんか。 生理休暇だって、個人差はあるかもしれませんが、母性保護の観点からは大切な休暇です。皆さんは生理休暇が取れることを知っていますか? 産前休暇8週、産後休暇8週についてもこれで十分ですか。看護師の過酷な労働を考えれば産前休暇は10週とか必要なのではないですか?看護職は、日本医労連の調査によれば切迫流産が29.8%、流産が9.2%と高率です。これでは安心して出産も出来ないではありませんか。 また、育児休暇や看護休暇、介護休暇を取りやすい職場に変えて、家庭と仕事の両立がはかられるようにしなければなりません。

4 人員不足による過重労働を強いられている

 私たちは人員不足による過重労働を強いられているということです。年休は年20日あるのですよ!これは労働基準法で定められています。本来なら、1人が年休を20日取得することを見込んで人員配置をしなければいけないのです。看護師が不足している、集まらないから過重労働になる→仕事がきついので辞める→さらに人が減る、という悪循環となっています。 もはや、看護師の人員不足は悠長な対応を待っている場合ではありません。現に今頑張っている皆さんの健康を守るためにも、看護師の業務を見直し(看護師でなければいけない業務、他の職種でも行える業務に分けるなど)、周辺の他職種にも応援を頼み負担を減らしていくことを考えるべきです。

5 未払いとなっている時間外労働

 交替制勤務なのに時間外労働があるのは、元々人員が足りないからです。1日24時間以上の仕事をさせられているからです。日勤の後や夜勤明けに時間外労働があるようではおかしいです。始業時前の勤務、昼休みの勤務はすべて時間外労働です。 時間外労働は一日あたりで切り捨てることは出来ません。たとえ10分でも時間外労働は時間外労働です。「そんな細かいことを」と思うかもしれませんが、それを月で集計したら何時間になりますか?年間なら何時間になりますか?(因みに毎日15分の時間外労働をしたら、少ない人でも年間で13万円以上の時間外勤務手当が発生します。) 皆さんはボランティアで業務をしているのですか?労働して、その対価として報酬をもらっているのではないですか?タダ働きをしてはダメです。私たちには自分たちの業務に見合った給料を要求する権利があります。我慢してしまったら、いつまでも改善されません。

6 健康で働き続けられる職場を目指して

 公共労は、「夜勤・交替制勤務者は週32時間勤務にし、勤務の間隔は12時間以上とすること」という要求をしています。「週32時間」は突飛な要求だと感じるかもしれませんが、ILO条約では「夜間労働者は少なくとも日勤労働者より勤務時間を軽減すること」となっています。このILO条約を日本は批准していませんが、世界的には夜勤・交替制勤務者はそれだけ過酷な労働をしているということで、勤務時間の軽減を図ることは常識です。 また、ILO条約では次の様に勧告しています。「看護職員の報酬は、看護職員の社会的及び経済的必要、資格、責任、任務及び経験に相応する、看護職に固有の拘束及び危険を考慮に入れた、看護職員をその職業に引き付けかつ留めておくような水準に決定されるべきである」と。私たちの報酬は少なすぎます。

7 終わりに

 看護師は、これだけの業務をやっている!やらされている!だから、それに対する処遇改善を!とみんなで声をあげなければいけません。私たち一人ひとりが声をあげて闘う必要があります。  公共労は、看護師の処遇改善を目指し本格的な闘争を行おうとしています。まずは、看護師さん一人ひとりが「現在の自分たちの処遇はおかしい、改善させなければいけない」と意識していただきたいと思います。

もっと皆さんの声を結集してください。仲間が次々と辞めて行くような職場を改善して行きましょう!

2016年7月9日 公立学校共済組合職員労働組合看護部