「東北中央病院」にて看護部集会を開催!

(2017・7・8〜9)

 7月8日(土)から9日(日)にかけ、東北中央病院にて公共労看護部集会を開催しました。
 参加者は全部で18名、二日間にわたり、今後の看護部の取組みに向けて熱心な協議が行われました。

【第1日目】

1 升味看護部長あいさつ

 東北中央病院で看護部集会が開催できることをとても嬉しく思います。 2日間たくさんの情報交換や交流を行なって、看護部の今年の目標を明確にしていきましょう。
 他の労働組合の方々からのお話を聞くいい機会を作って頂いているので、しっかり勉強させていただきたいと思います。 2日間よろしくお願いします。

2 松岡中央執行委員長あいさつ

 梅雨本番の中、ここ東北山形で真夏の日差しの歓迎を受け集結した看護師の皆様お疲れ様です。
 さて、この度の看護部集会は秋闘に向けての取り組みとして位置付けています。
 看護師については沢山の問題を抱えておりますが、まずは、現在認められている権利の行使を行っていくということも、 重要な課題だと考えています。先月の女性部集会でも取り上げられた、生理休暇、また、年休完全取得です。
 この東北の地で開催する意味の一つは、東北は黒字病院です。とても喜ばしいことでしょうが、年休取得状況、超勤の未払い、 二交替制問題と、問題を抱えながらの経営状況です。  東北と四国はよく引き合いに出されます、病床数ほぼ同じということからでしょうか、規模がほぼ同じということだと思います。
 看護師人員はどうでしょう?人件費比率、看護師平均年齢と、もちろん黒字病院は数字の上で良いのです、 数字がよければ黒字になると、それで職場は良いのかということです。
 看護師の昇給問題では、我々は3級昇格を早めろと言っているのにも関わらず、当然3級でなくてはならない主任看護師が2級のままで、 辞令を受け取っていたことが中国でありました。 これは中国中央病院の新人歓迎会に行った折に、たまたま話した看護師とのやり取りで発覚したものです。 問題が表面化しない、まさしく当然の権利がスルーされている。このことは人事評価制度の導入とともになんだか、 昇給、昇格は病院任せにで、その力を持った病院は勝手にしてもいいと勘違いしているんじゃないか?そういった所から我々公共労はやっぱりちゃんとCheckする必要を迫られています。 この集会では、今後の看護部としての取り組み、方向性を決めて頂きたいと思っております。
 病棟勤務者の夜勤月8日以内、これも覚書が交わされている。
当然守ってもらわないといけないものです。
 それから、これは前々から医労連では取りざたされていますが、正循環の勤務表についてです。 看護加算に算定されるようになり、導入はしやすくなったのは確かではありますが、準夜の後の休みの取り扱い、 準夜→休→深、これが正循環の勤務パターンですが、どうでしょう? 同じ人員、同じ手当でこのパターンをするならば、病院経営者の丸取です、 我々も正循環勤務に関しては、健康で働き続けられる環境の面では進めていきたいものです、 しかし準夜→休→深の勤務表を作った場合の準夜と深夜の間の休みは、本来の暦日休日にはならない週休、年休、レク休が使われるわけです、 それでは到底納得のいくものではありません。休みが暦日休とは、0時〜24時の暦の上で24時間休みでなければ、 準夜の後の勤務時間は超勤です。深夜に入る前も時間がかかかるわけですから、 いくら少なく見積もっても24時間−3時間=21時間しか休めないわけです。
 この考え方を導入するに当たっては、労使間の協議が必要だと思っています、 一方的に病院の利益になって、それが労働者の負担になってはいけません、是非皆さんで協議をしてください。

3 講演

(1)『2交替制勤務を体験して』〜導入から撤回までの経過と取り組み〜
山形県医労連女性委員会責任者・全医労米沢支部 村上佑子さん
 
 
ア 二交替制導入の背景
  若い看護師を中心にやってみたい。患者から「「おやすみ」と「おはよう」という看護師さんが同じ人の方が良い」という意見があった。当時導入にあたっては25項目の条件があったが13項目は出来ないまま導入。   メリットとして、夜→休→休が保障される。など。  
イ 僅か1年半で破綻
  16時間も身体がもたない。患者から「そんな意見は言ってない」「疲れ切った看護師の顔」看護師の家族から不満。休憩も取れない休みも保障されない。言い出した人はみんな辞めた。県内では二交替制の看護師は1年に満たないで殆どが離職する。  
ウ 撤回までの経緯
 撤回するまでに8年かかった。導入した方(病院側)のメンツ。一回導入したらなかなか辞められない。 制度導入にあたっては、施設側や職員側が明確な目標を持たなければ実施を続けられない。
(2)『済職労の活動と今後の取り組みについて』
山形市立病院済生館職員労働組合・副執行委員長 長岡 輝(ひかり)さん
 
ア 組合員数496人組織率はほぼ100%、
執行委員とは別に「職場委員」と「予備委員」を各職場1名ずつ。
 「予備委員」 は「職場委員」の補佐役。執行委員会は毎月2回。
 執行委員で作成した要求書 → 職場委員と協力して各職場でオルグを実施(オルグで各部署の職場環境の状況などを確認する。)  → 要求項目を「職場委員会で協議する」(大会と同じような協議を職場委員会で行う)  → 再度執行員会を開催し職場要求書を作成する。  
イ 済職労の今後の課題
 ・サービス残業の撲滅、時間外労働を申請しやすい環境づくり、退勤調査を実施して声掛けを行っている。
  厚労省のガイドラインを活用し、適正な管理を求めていく。
 ・年次有給休暇取得促進のための具体的施策の提案
  看護職はシフト制であることが多く、「年休取得は勤務表作成者が主導権を握っており、権利の行使が難しい」  
ウ まとめ
 ・組合員一人の声だけでは当局への改善を要求することは難しい。
 ・「組合員に見える活動」を意識して活動することによって信頼が得られる。ニュースなどでアピール
 ・各職場での現状や生の声を元に要求書を作成し、団体交渉によって改善を要求すること。

〜ディスカッション〜

・現在、年間の残業時間は2〜3時間しかない。日勤は準夜、準夜は深夜へと仕事を送っている。 記録は時間外に行わないで済むように医者や薬剤部も一体となって取り組んだ。
・二交替制の不満は、「奥さんが16時間いないとなると家族の負担が大きい」と苦情が来た。
・オルグをすることにより、組合員から「見える活動」に繋がるし、小さな問題でも直ぐに上と掛け合うことに繋がる。 日頃から組合員と情報交換をマメに行うことができる。など

【第2日目】

4 「今、看護師の問題は何か?
(夜勤問題・給料・短時間勤務・休暇など)」

〜二交替制、夜勤専従では解決策にはならない〜 書記長 駒宮
・一番重要なことは「健康で働き続けられる職場づくり」そのために何に取り組んでいくのかを考えて欲しい。

5 グループワーキング

(1)今、看護師として一番要求するべきことは何か?
・うちの支部は、年休は取れている。夜勤回数が多い→夜勤ができなくて離職を考えている人が多い。
・昇格を早めることに力を入れて要求したい。・女性が働きやすい環境づくりが必要(時短制度など)
・ユニフォームが支給されず、毎年自費で購入している。→被服貸与規程はどうなっているのか?
・年休が取れない。申請し難い環境 ・夜勤回数が多い。・準夜の休憩が取れていない。
・「年休取得キャンペーン」をしてから、年休は「もらえるもの」→「取るもの」に変わった。
・時間外の終了ミーティング(残務の報告、師長会の報告、連絡事項など)←必要なのか
・残業時間長いので、超勤簿に時間を分けて記入させられる。→どれだけ残業しているのか分からない。
・妊婦の夜勤制限が出来ない。
・定時に帰れない。
・昼休憩は20分しか取れない。
・子育ては3歳まで夜勤免除だが子どもが4歳になると退職するしかない。
・増員よりも今、働いでいる人を大切にして欲しい。
・師長(管理職)の意識改革が必要。
・深夜入りと準夜明けの休みしかない。リフレッシュの休みが取れない。
・残業が多い。
・組合員が若い人ばかりで上に言える人がいない。
・上に話せる人が必要。上の理解がない。
(2)その要求を勝ち取るためにはどう闘いに取り組んだらいいと思うか?
・他の支部の状況を比較してみる→組合員で情報を共有。
・日頃のちょっとした疑問や問題を取り上げて、組合員同士で問題を共有する。
・支部団交前にポスターやビラなどでアピールしたらどうか。
・支部での部署2〜3名。月一回話し合う場がしっかり出来ていない。
・活動が目に見えるように工夫する。
・組合のメリットが少なく辞めて行く人が多い。
・役員や取り組む仲間を増やしていく。
・こまめな窓口相談。
・闘う以前の問題。闘うための土台作りが必要。
・現状を訴えていくためには組合員の人員を増やしていく

看護師アピール

 私たち公共労看護部は、2017年7月8日〜9日の2日間にかけて、東北中央病院にて18名の仲間で集会を開催しました。
 集会初日では、山形県医労連女性委員会責任者全医労米沢支部 村上佑子さんと 山形市立病院済生館職員労働組合副執行委員長 長岡 輝さんを講師にお招きし、 「二交替制勤務の導入から撤回までの取り組み」と「済職労の活動と今後の取り組みについて」をテーマにご講演をいただきました。
 その後お二人を加えてのディスカッションで、働き続けられる魅力ある職場にするには組合役員の地道な活動が必要であり、 組合活動の見える化やオルグが大切であること。組合員同士の横の繋がりが大切であり、組合員の声を拾い上げるためには、 組合員が組合に相談し易い雰囲気作りが重要であることを学びました。
 初日の夜の交流会では、山形牛を食べながら日常の出来事、不満、改善方法などを自由に話し合い、精神面のデトックスができ、 支部間で大いに交流を深めることができました。
 二日目には、改めて「看護師の問題は何か?」を確認し、その後のグループワーキングでは、 「今、看護部として一番要求すべきことは何か?」「その要求を勝ち取るためにはどう闘いに取り組んだらいいと思うか?」を討議し、 看護師が苛酷な業務に見合った賃金が得られておらず、十分な休みも取得できず、 健康で文化的な人間らしい生活が送れていない現状を変えていかなければ、 増える離職者を止めることもできないことを参加者全員で確認することができました。
 私たち看護師は、日頃の業務や自分たちの生活に追われ、組合活動に力を入れる時間を作ることも難しい状況にあります。 しかし、声を上げて活動に取り組まなければ、職場環境は何も改善されません。
 この2017秋闘では、@昇給、A年休取得、B認められている権利の行使、などの要求を掲げて、要求前進のために頑張ります。
 職場環境の改善が少しでも前進することを目標に掲げ、各支部においても活発に組合活動を進めること。 組合員同士の横の繋がりを深めて、闘うための土台作りを進め、看護部全体で、粘り強く活動を行うことを決意しました。
 私たち看護部は、引続き、「心身ともに健康で働き続けられる職場づくり」を目指して活動していきたいと考えています。 ともに頑張りましょう!
 
2017年7月9日 公共労看護部

渡辺副中央執行委員長

 初めて東北に来ることができて、さらに東北の実情を知ることができてよかったです。 この集会を通して、あまり知らなかった他支部の状況を知ることができ、自分の職場環境との違いに驚いた人もいたと思います。この集会で知った他支部ので取り組み方などを、是非自分の職場の同僚にも教えてあげてほしいと思います。 看護部集会での内容を支部で話し合い、9月の定期大会、秋闘に向けて頑張っていってもらいたいと思います。

升味看護部長

 交流会やグループワークを通して、他支部の現状を知り、自分達の日々の働き方を見つめ直す事が出来た2日間だったと思います。
 組合活動を価値あるものにしていき、働きやすい職場づくりを目指すには 「まず土台を作る(組織強化・仲間づくり)」が必要である事を各支部が再認識できたと思います。 支部でどう動いたらいいのか…そう困った時には、他支部同士しであれ、いつでも相談にのるので連絡をしてください。 支部に帰って、この看護部集会で話した事を活かし、第1歩が進めるよう頑張りましょう♪
〜最後は、松岡中央執行委員長の「団結ガンバロー」で締めました〜